SYU's TraveLog.


登録07.07.07
2日目・モン・サン・ミシェルに進路をとれ


 
封印は解かれた。

件の自転車である。
翌日の朝、レンヌ駅で事情を話すと気のいい駅員さんが大きなペンチを持って来て、

ブチッ

という音とともにワイヤーは・・・切断・・・されてなかったりした。
さすが日本で発売されているだけある。
確か売値が800円であったか?
どんなに頑張っても切れないワイヤー。普段なら非常に喜ばしいことだが、今回のような場合、その頑丈さがアダになる。



"Let me see?"

土屋先生が何かに気づいたようだ。

バキンッ!!


おお、すごいパワー・・・ってわけではないのね・・・
なんと土屋先生が狙ったのはワイヤーではなく、金具のほう。

「ふむ、ワイヤーは丈夫だが、金具は案外チャチだな。」

・・・なんか慣れてませんか、土屋先生?

まぁ何はともあれ、これで無事に出発できるようになった二人。



まずは列車の発車時間を確認する光君。土屋先生のすばらしい(?)時差ぼけ対策(日本から徹夜で移動、現地で夜になってから寝る)のおかげで、まったく時差ぼけに悩まされることなく行動を開始することができた。そのためホテルを出たのはなんと朝6時半。

電車はサン・マロ行きが7時40分、現在時刻が7時ぴったりだから40分も時間がある。



そして二人は迷うことなく行動を開始する。
こんなとき二人に言葉はいらない。

『朝ごはん』

テレパシーでも通じているかのごとく、さも当然のように歩き出す二人。
もちろん予算は制限されているのでできるだけ安いものを探す。最初に見つけたのはパン屋さん。昨日食べたものと同じような商品が並んでいる。

「俺、パンってあんまり好きじゃないんだよね・・・」

そういって別の店を探す光君。



なんと店内をネオンで飾っているの高級そうな店を発見。
そしてよく中を見てみると・・・スーパーマーケット?パンやら果物やらハムやらが棚に並べてある。

「またパンかよ、ちょっとは別のものないのかよ!!」

あまりお気に召さない様子の光君。

「果物やチーズもあるけど?」
「俺、果物きらい。生野菜もきらい。チーズもきらい」
「・・・んー・・・」

ハムという選択肢もあるのだが、少々お値段が張ってしまう。そうでなくても昨日の宿泊費がかさんでいるのだ。しかも朝食ついてなかったし。



結局最初の店に戻って、フランスパンにハムがはさまったものを買う。
お値段は1.5ユーロ、日本円にしておよそ220円。パリの物価が異様に高かっただけみたいでよかったですね。

そういえば水の消費王者の土屋先生のペットボトルは・・・なぜか満タン。なんとホテルの水道水を補給してきたようだ。胃が頑丈だとこんなときに便利。

よい子はまねしないようにしよう。
もちろん光君だってまねしてません。



まだ少々時間があったので、どこか座れるところがないかとベンチを探す二人。

キョロキョロ

キョロキョロ

あった!!

ベンチを見つけた光君、しかしそのベンチに近づくにつれて表情が微妙になる二人。

「・・・」
「・・・」

写真を見るとわかるだろうが、ベンチの腰をおろす部分の高さが自転車のハンドルと同じ高さ。 どんだけ足が長いんだ、フランス人?それともアジアの黄色いおサルさんはベンチで休むなと?国際問題にして国連に訴えるぞゴラ!!

とか何とか思いながら腰をおろす二人。

光君  :・・・座ってみるとなかなか・・・
土屋先生:・・・すわり心地はいいねぇ・・・



長足の人用のベンチに腰をかけながら買ったパンの包みを開く二人。フランスパンにハムをはさんだだけの朝ごはん。しかしこれがまた結構な大きさである。光君は生野菜が嫌いらしくレタスをよけながら食べている。

光君、好き嫌いしている場合じゃないかもよ?

ここまでですでに手持ちの400ユーロのうち実にその 一割以上にあたる45ユーロを使ってしまっているのだ。食べれるだけでも良しとしなければならない。



出発の時刻となった。
二人はホームに入ってきた電車に乗り込む。


そういえばお二人さん、自転車はたたまなくてよろしいのでしょうか?

そう、なんとなんと、ヨーロッパの電車には自転車専用の車両や、専用車両がなくても自転車を置く場所はしっかりと用意されている。

そして今回の車両は・・・吊り下げ式。
上からぶらぶらと吊り下げられている自転車はどこかかわいそう。

何はともあれ無事、レンヌを旅立つ二人であった。




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