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SYU's TraveLog.


登録08.03.08
3日目・オーステルリッツ駅へ


とりあえず切符を手配した二人は、セーヌ川の対岸にあるオーステルリッツ駅に向かうことになったのだが・・・

「ツッチー、なんか妙に住宅街っぽいんだけど?」

「んー?引き返す?」

あっさりと引き返そうとする土屋先生。

「いや待って、とりあえず行ってみよう。特に危険もなさそうだし。」

「じゃあ行こうか。」

空気のように何の抵抗もしない土屋先生に微妙な違和感を覚える光君。

『・・・どっちだ?どっちが正しい?』

光君の判断を待ちながらにこにこしている土屋先生。

「・・・行こう。方向的には正しいはずだ。」



後ろを振り返ってから、意を決したように走り出す光君。

時間もたっぷりとあるので少しくらい迷っても問題が無いだろうと考えたようだ。

ぐきるるるるるぅぅ〜

「ツッチー・・・腹へったね・・・」

腹が決まったら空腹を思い出したようだ。

「オーステルリッツ駅に着いたら何か食べよう。」

土屋先生も光君に同意する。



空腹を抑えながら走る二人。

しばらく走っていると妙に近代的な道になってきた。

『・・・へいきへいきへいきへいき・・・』

呪文のように繰り返しながらペダルをこぎ続ける光君。

『セーヌ川は越えたので間違ってはいないはずだけど・・・』

土屋先生は楽しそうに後ろからついてくる。




さらに走り続けると左側に線路が見えてきた。

「ツッチー、やっぱあってたよ!!」

「うむうむ、よかったよかった。」

素直に喜ぶ土屋先生。光君に負けず劣らず土屋先生もかなり空腹なようだ。

更に進むと駅が見えてきた。

「お、あれあれ。あれ多分オーステルリッツ駅だよ!!」

「・・・多分?

「・・・え?」

「いやいや、気にしないでくれたまえ。」

とはいえ土屋先生の反応はどれも気になるお年頃な光君、ずいぶんと敏感になったものだ。



そしてたどり着いた駅は、確かにオーステルリッツ駅だった。

「ついたー!!無事にツイターヨー!!」

無事にたどり着けたことで大喜びの光君。

やはり知らない場所を移動するのは不安が大きいようだ。

とりあえず1日1トラブルを目指す土屋先生はこの日のノルマは達成(目的地の変更)したとでも思っているのだろうか、あまり目立った行動には出ていないので結構事がすんなりと進む。



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