SYU's TraveLog.
登録08.01.23
3日目・凱旋門からエッフェル塔へ
まず第一のチェックポイントである凱旋門についた二人。
「光君、ちょっと待ってて。デジカメのデータがいっぱいになってきたからコンピュータに移しちゃう。」
ところかまわずコンピュータを取り出す土屋先生。
「了解・・・うぉ!!ツッチー、あれ、あれ!!」
そういう光君の指の先には二階建てバスが。
それも二階の屋根がオープンの
「ああ、あれね、イギリスが近いからだろう。香港も・・・」
「馬鹿だよねあいつら、雨が降ったらびしょぬれじゃないか!!」
「・・・」
思わず絶句する土屋先生。
「ああ、面白いもん見た・・・ってどうしたのツッチー?」
「・・・いや・・・いいんだ・・・なんでもない・・・」
そういってコンピュータに向き直る土屋先生。
土屋先生の作業が終了するのを待って、一行はエッフェル塔へ。
「うーん、下り坂は楽だねぇ・・・でも石畳はちょっと走りにくいな。」
自転車をこぐのが楽なのか上機嫌な光君。
「まぁまぁ、パリにもこういう風情があるのがいいと思わないか?」
「確かにね。・・・ってこれで道間違ってたらやだな。戻るときは上り坂になるじゃん!!」
ここ2・3日でかなり敏感になった光君。
ちゃんと周囲のことを気にかけるだけの注意力が出来てきたようだ。
近くにある地図で現在位置の確認と、経路を確認する光君。
「えーっと、今ここだから・・・このまままっすぐ行って、川にぶつかったら川沿いに右折、そして最初の橋を渡ればいいんだ。」
うしろでうんうんうなずく土屋先生。
成長してますね、光君。
「そういえば光君、今日はこの後ベネチア行きの夜行に乗るつもりかい?」
「そのつもりだよ。何か?」
「いやいや、 何もトラブルがないといいなぁって思っただけ。」
心にもないことを言う土屋先生。
「そうだね、ちょっと早めに駅に行ったほうがいいかも。」
「じゃあ、エッフェル塔見たらそのまま駅?」
「確かガラ・デ・リヨンから出てたはずだから、エッフェル塔見たらそのまま行っちゃおう。」
光君は鉄道関係に強いので、駅がたくさんあるパリでも迷うことはないようだ。
この辺は土屋先生に確実に勝っている能力だろう。
しばらく走り、川沿いの道に出るとエッフェル塔が見えてきた。
「ツッチー、エッフェル塔見えたね。」
「うん、これであそこまで迷うことはないね。」
うれしそうな光君とつまらなそうな土屋先生。
目的地が見えたことでさらに元気が出てきたのか、自転車をこぐ速度が速くなる光君。
そのとき二人の右側に美術館風の建物が現れた。
「んー?、何だこれ?美術館?」
「それにしては人が少ないが・・・よってみるかい、光君?」
「いらない。」
本当に興味のなさそうな光君。
「ってかそれよりのどかわいてきた。ツッチー、お店あったら入るべ。」
「うむ・・・ってすぐそこ、それ店屋じゃないか?」
「あ、ほんとだ。入ろう。」
そう言って中に入る二人。
そして・・・
500mlで2ユーロの水
「やってられるか!!」
激怒して店を出る土屋先生。
「・・・あれ?」
店を出た瞬間、光君がついてきていないことに気づいた土屋先生。
なにやら奥で会計をしている。
そして出てきた光君は・・・
水を二本も買ってきた。
「なんでこんな高いところで買うか!!」
「えー、でもさ、この先もっと高かったらいやじゃん。」
「じゃあ何で二本も買ってるんだ!!」
「・・・予備。」
確かにいざというときに備えるのはよいことだが、ここはコストがかかりすぎだろう。田舎のほうに行けば水が安いことはわかっているのだからここで無理にたくさん買う必要はないはずなのだが。
「・・・」
黙って自転車を走らせ始める土屋先生と、特に悪びれもせずついていく光君。
後のトラブルの種を作りながら行動しているとはいえ本日はまだトラブルもなく、無事にエッフェル塔の付近まで来た光君。
しかしまだ一日は始まったばかりだ。
『ここまでノートラブルということは、もしかしたらこの後にまとめてトラブルが押し寄せてくるのかもしれない。』
土屋先生はそんなことを考えていた。
『金も結構適当に使ってるからな、旅の楽しみは後に取っておくというのも一興か。』
彼のどす黒い思考は止まらない。
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