SYU's TraveLog.


登録09.05.04
4日目・アクアおじさん


駅から出ると、あたりはすでに暗くなっていた。

ベネチアは、朝・昼・夜でそれぞれ違った趣を見せる。

海の香りから始まり、太陽の高さで同じ場所でもいろいろな表情を見せる。

そして今回、ベネチアによった目的のひとつに、『ある人物と接触する』というのがあった。

その人物とは・・・

アクアおじさんである。

この名前がついたのには深いわけがあるのだが、それはまた別の機会に。




駅から歩いて5分ほどのところに店を構えるアクアおじさん。

以下土屋先生はルーマニア語、アクアおじさんはイタリア語での会話である。

アクァ!!久しぶりぃ♪元気だった?』

アァクァ!!まだまだだな坊主、ほれ、もう一回。』

アァクァ!!』

『よしよし、いいぞ坊主。』


ちなみに アクアとはのことである。同名のアニメ・コミックが存在するが、それもやはりベネチアをモデルにしたものである。

『元気そうだな、親父。一年ちょっとぶりくらいか?』

『そうだな、昨日よりちょっと前くらいだな。元気にしてたか?』

『おお、元気元気。親父も元気だったか?』

『みりゃあわかるだろう?しかし坊主もそんなにでかいのが増えるほど元気だったか?』

『・・・?』

アクアおじさんが言っているのは光君のことである。

『ああ、こいつは俺の生徒だよ。サカエ(光)って言うんだ。』

『アァクア!!』


紹介に対して変な答え方をする光君。


『おお、こっちの坊やは筋がいいな。おめぇさんもうかうかしてられねぇな。』

『まぁみてな、そのうち親父も抜いて見せるさ。』


・・・何の会話をしているのかわけがわからない。イタリア語発音大会(アクア限定)にでも出場するつもりか?

と、そこに赤いジャンバーに帽子姿の老人が割り込んできた。

かなりなまった英語だが、一応コミュニケーションが取れるレベルの英語を話す。

彼は自称、アクアおじさんの友達ということだ。




『どれどれ、カメラ持ってんな?ほら、よこぜ。おんらがとってやるがら』


そういって土屋先生のカメラを強引に奪う自称アクアおじさんの友達。

土屋先生が使い方を説明しようとするが・・・


『ほらまぁ、いいからいいから。これでもプロだ。』


そう言って写真を撮る老人。

しかし・・・見事にピンボケだ。

デジカメを見ながら頭を抱える土屋先生。

しかし、ここはご老人の好意を無駄にすまいとニッコリ笑う土屋先生。



気をとりなおして、土屋先生はここで品定めに入る。

アクアおじさんは食料品店を扱う小さな店のオーナーで、勿論アクアレッスンのほかにも食料品の購入にも対応してくれる。

ちなみに、アクア(水)はベネチアでも最安クラスで、1.5リットルで一本100円を切る。

まとめ買いをすればもっと安くなるが、ここではちょっと難しい。

結局、光君と二人で水を一本ずつ。

それから土屋先生は、何種類かのチーズをひとかけらずつ購入した。



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