SYU's TraveLog.


登録08.01.08
3日目・パリ観光?


3日目の朝、光君と土屋先生は朝ごはんが食べ放題であると聞いて食堂に急ぐ。

一日の栄養素を取りまくることを心に決めた二人が食堂で最初に見たのは大量に詰まれたパンとジャム。

これだけでも十分な栄養を摂取できそうだ。

フライングしそうになる口を押しとどめて、パンを皿に盛る。

もちろんジャムとマーガリンもたっぷりと。

飲み物はオレンジジュースに牛乳・ココア。おまけで紅茶とコーヒーも。



そして二人が席に着くまでに手に入れたのは

パンとパンとパンとパン

そう、おかずが何にもなかったのだ。

しいて言えばコーンフレークがあるくらい。

ここでは特に光君がげんなりしていた。

彼が期待していたのはハムやベーコンや卵だったから。

土屋先生は器用にココアパンを作ったり、コーンフレークを喜んで食べていたりした。この辺は経験の違いが出ているのか、それとも育ちが出てしまったのか・・・



朝食を(一部しぶしぶ)すませた二人は、このとき初めて外の景色に目をやった。

「オー!!ツッチー!!公園だ!!公園!!」

「おお!確かに公園だな!!」

・・・何が楽しいのだ?おのれらは・・・

おそらくパリの町並みを見ているという事実が彼らに何かの幻想を見せているのだろうが・・・このあたりはただの住宅地で特に目を見張るようなものはない。

およそ観光には不適切な性格の二人だ。



二人は荷物室に預けた折りたたみ自転車を受け取り、外に出る。

普通の自転車では、鍵をかけて外に置くしかないのだが、二人の自転車は折りたたみなのでユースホステル内の荷物室で預かってもらえたのだ。

また、自転車を乗せられない列車や、特別に料金を加算されてしまう列車、バスなどでも重宝する。

・・・さすがに26インチは無理があるかもしれないが、20インチまでならほとんど問題ない。



朝食で嫌いだ嫌いだと言いつつもそれなりにパンを平らげた光君は、朝から元気いっぱいだった。

十分な睡眠も取れたようだし。

「いくぞツッチー!!」

「おう!!・・・ってまずどこから行くよ?」

「・・・とりあえずエッフェる?」

「ほうほう、ではとりあえずエッフェル塔だな。」

「じゃあ行くよ!!」

そう言って走り出す光君。今日は勢いがある。



しばらく走ると、いかにもヨーロッパな建物(当たり前だが)が二人の前に現れる。

普通のアパートなのだろうが、やはり日本とはぜんぜん違う。

「ああ、ツッチー、昨日ここぐるぐる回ってたんだよ」

特に根に持った様子もなく、前日に自分たちが通った道を見て確認する光君。

土屋先生も自転車で走るのが爽快らしく気持ちがよさそうだ。



「なぁ光君。」

「なぁにツッチー?」

「エッフェル塔ってどっちにあるか知ってるの?」

「・・・」

うーん、 勢いはあったけど情報が足りなかったみたいだね。

まぁガイドブック禁止だし、地図も持っていないのだから無理もないのだろうけど。

「あ、ツッチー、たぶん平気だよ。あそこのパス停に地図みたいのがある。」



バス停の地図を覗き込みながら現在位置を確認する光君。

「ツッチー、ここからだと凱旋門先に行ったほうが近いね。そっちから回ろう」

「おっけー、 任せたよ」

このあたりはトラブルの色もなく、すんなりと進む。

ここからがパリ観光の始まりだ。



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