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SYU's TraveLog.


登録07.09.07
2日目・モン・サン・ミシェル⇒ポンターソン


モン・サン・ミシェルからレンヌまでのバスには乗れない二人。先ほど自転車を置いてきた駐車場へと移動する。

するとなにやら自転車に違和感が・・・



土屋先生:・・・
光君  :・・・

二人ともしばらく固まる。自転車のサドルに鳥の糞。ちなみに鳥の糞の直撃を受けていたのは光君の所有する自転車である。

土屋先生:・・・えーと・・・
光君  :俺こっちのチャリだからね!!さっきからこっち乗ってたし!!

間髪いれずに鳥糞の直撃を受けていないほうの自転車にまたがる光君。土屋先生の目が微妙に細くなる。

土屋先生:・・・まぁいい、こんなこともあろうかと準備はしてきた。

ナップサックの中からウェットティッシュのお化けみたいなもの(体をふけるものらしい)を取り出しながら土屋先生が言う。

何も言わずにもくもくと自転車のサドルを拭く土屋先生。何も文句を言わないのが逆に不気味だ。



とにもかくにもモン・サン・ミシェルを後にする二人。

内からでも外からでも趣き深いこの修道院は一生二人の胸に残っていくのだろう。

・・・修道院には入らなかったけど・・・

今サン・ミシェルは異常気象で干上がってしまいそうなんだという。

いずれこの修道院を囲む湖が干上がってしまったとき、人は何を思うのだろう。

湖の真ん中に修道院を建てたという偉業は語り継がれるのだろうか?

それとも歴史の中に埋もれてしまうのだろうか?

この修道院へと続く湖の中の一本道は、潮が満ちると沈んでしまうものだったらしい。

それらの全ての苦労を、歴史の狭間に埋もらせてしまうのはあまりにも悲しい。

・・・などと二人が感想を述べている暇はなかった。
この時点で時刻は3時をまわりそうになっている。
そうでなくてもぎりぎりの予定なのだ。

パリから出る夜行列車は午後7時。
あと4時間もない。



一心不乱に自転車をこぐ二人(一人?)。

そんな二人がPontersonまで半分ほどその行程を消化したときにそれは現れた。

ビーフ120%

土屋先生: わははははははっ!!起きてる、起きてるよ光君!!

光君  :・・・

そう、行きの道で光君が罵倒した牛さんたちが・・・おきて二人をお出迎え。

しかし笑い転げる土屋先生を横目に必死で自転車をこぐ光君。

その目が鋭く語りかける

『遊んでる暇はねぇぞ』と。

なおも笑い転げながら光君の後ろをついていく土屋先生。彼はまだまだ余裕のようだ。


そんな二人は全くトラブルに遭遇せずにPontorsonまでの道のりを消化した。

・・・嵐の前の静けさ?

そんな言葉が土屋先生の脳裏によぎった。自分の想像力のたくましさに思わず失笑をする。

『嵐が起きなければ・・・起こせばいいだけのことだ』

一番のトラブルのタネが光君の後ろで脈動を始めようとしていた。


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