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3日目・ダイジェスト
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登録08.03.13
3日目・ダイジェスト
朝8時半、土屋先生が光君に声をかけるが、
疲労が抜け切れていないのか起き上がれない光君。
幸い筋肉痛はないようだが、ベトナムの暑さと
受験期に一気に衰えてしまった体力のせいか、回復に時間がかかる。

本日は、ベトナムとカンボジアの国境であるモクベイを超え、カンボジアに入る予定である。

結局いろいろ準備しているうちに出発は10時を回ってしまった。

出発から1時間、木陰で休む二人、帽子を持ってこなかったために熱がたまりやすいという
危険があるのを見越して、タオルを頭に巻こうという提案をする土屋先生。

その際土屋先生は、壁に立てかけておいたホウキを忘れてきてしまう。

ベトナムに大人気だったホウキ、彼がホウキを振り回しながら自転車で走ると
みな陽気に笑い返してくれたものだった。

小休止からさらに一時間、光君はもう体力の限界に達しようとしていた。
出発からおよそ19?の距離である。

国境線までたった5?しかないと言うことで、
なんとか光君をそこまでたどり着かせようとする土屋先生。

なぜならば、国境線までいけばまともな休憩が取れる可能性が大きいからだ。

そしてたどり着いた国境の町、モクベイで光君は再びダウン。
500mlの水(35円)を3本立て続けに
飲み干した土屋先生は、料理を注文するのだが、
光君は疲れすぎていてそれどころではないようだ。
チョコレート味のカロリーメイトを
半ブロックだけ食べて、
寝息を立て始めてしまう。

12時に到着したのだが、2時を過ぎてもいっこうに、
起きる気配が見えない光君。

彼は眠る間際に一言、
「ホーチミン(最初に到着した都市)に帰りたい。」
ともらした。

あまりのふがいなさにさすがにあせる土屋先生。

このままではシェムリアップにたどり着くどころか、
プノンペン(カンボジアの首都)さえも怪しい。

いろいろな原因を考察する土屋先生。
まず彼自身の体力を別にして考えられるのは自転車の性能。
周りで走っている自転車に比べてギア比が低いらしく、なかなか前に進まない。
さらに、ママチャリなのでギア自体が存在せずに、
上り坂(ほとんどない)などへの対処ができていないかもしれないこと。

ほかにはこの暑さである。
しかし、土屋先生自身は暑さのバロメーターとして
自分のほうが熱を吸収しやすい黒い服を着るようにしている。

光君の体の弱さを考慮にいれやすくするためだ。

しかしこのまま旅は続く。

光君が眠りに落ちてから約一時間、暇を持て余した土屋先生はコンピューターに向かい旅の報告を打ち込み始める。

周りの人間たちに悪意がないと判断したためだ。

彼恩使うコンピューターの重さはわずか580gの超小型マシン。

それがコンピューターだと気づいた現地の人々が彼の周りに寄ってくる。
しかも、その人数がどんどん増えてくる。

さすがに少々まずいと感じた土屋先生は、人々の注意をコンピューターから他に向けるために、一枚のハンカチを取り出す。

コンピューターをしまいながら、周りの人間に笑いかける。
そして、そのハンカチを手の中に握る。

と、次の瞬間にはそのハンカチは影も形もなくなってしまった。

大喜びする観客(←いつの間に観客になった?)

さらに4つの金属のリングを取り出す土屋先生、これも見事につながったり離れたり。

観客たちが彼にミネラルウォーターや果物、タバコを勧めてくる。

天下を取ったような顔の土屋先生のそばで目を覚ました光君は自分の周囲に10人以上の人間が集まっているのに気づいて飛び起きた。

最初は何がおきたかまったくわからず、自分のバッグがあるかどうかまず確認し・・・そして目の前の土屋先生に気が付いたのだ。

『またかよ、このおっさんは・・・』

しかし芸だけで世界を渡っていけそうなのはすばらしいことである。芸しかないと困りものだが。

目を覚ました光君を連れてベトナムの出国手続きとカンボジアの入国手続きをする土屋先生。
実はカンボジアのビザを取るには写真が必要だったのだが、光君は持ってきていない。調査不足だ。

しかし、ビザの値段20ドルに2ドル足せば写真は必要ないのだとビザの発行口の男性は言う。2ドルで写真が必要なくなる理由がまったくわからない。

しかし無事(土屋先生の思惑は失敗)に国境を通り抜けた二人は、次なる問題に遭遇するのであった。

国境を越えてから約24?ほど進んだあたりだろうか、光君がある町ででもうこれ以上進めないと言い出したのだ。

もちろんそれを否定はしない土屋先生。しかし、このときすでに事態は最悪の方向に進んでしまっていたのだ。

ホテルがない。

カンボジアはよほどの都市でないとホテルが存在しないのである。

露天で光る訓が一番近いホテルを聞くと、スバイリエンという名前の町まで行かないとないと言うのだ。

距離にして25?程度。

しかし満身創痍の光君は17?ほどの距離を残してギブアップしてしまう。

このまま光君を放置することができない土屋先生は、ルール違反になるが、エマージェンシーブランケットを紐のようにして、自分の後部荷台と光君のハンドルを結ぶ。

約15?、2時間にわたって光君の自転車を引っ張り続ける土屋先生。

辺りはもう真っ暗である。

スバイリエンの付近約3kmの地点まで来たあたりで光君が土屋先生に声をかけた。

「ツッチー、俺はおなか減ってないんだけど、ツッチーは食べないと厳しいよね?」

「・・・あぁ、僕のこと気にしてくれてたんだ?」

その言葉で光君は、土屋先生が『光君が体力を回復して自分で走り出す』のを待っているのだと気が付いた。
最後の道のりを自分で走り、何とかホテルに入る光君。

ホテルは二人で10ドル。

夕食は商店で売っていたクラッカーだった。

日本から持ってきた砂糖や塩で味付けして食べる二人。

特に光君はまともに食べる気力も体力もないようだ。

果たして明日は来るのだろうか?