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4日目・ミラノからベネチア、一息ついて
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登録09.03.28
4日目・ミラノからベネチア、一息ついて
何とかベネチア行きの列車に滑り込んだ二人は、自転車を荷物置き場・・・ではなく駅員の指示で列車最後尾のトイレに収納して、自分の座席へと向かう。

列車の通路は車両の右側か左側にあり、非常に細い。

その細い通路に自転車を置いたりされては困るのだろう。

もちろん、座席の上にも棚はあるのだが、そこに置けるほど自転車は小さくもなければ軽くもない。

盗まれる心配はないだろうと(鍵もかけてあるし)タカをくくって手軽にリュックひとつで席に着く二人。


光君:いやー、どうなることかと思った。とりあえず無事に乗れてよかった。


本当である。

もしも無事に乗れなかったりしたら予算が大変なことになること受けあいだ。


土屋先生:あー、僕ちょっとはばかり(トイレ)に。


そう言いながらリュックを持って席を立つ土屋先生。

どことなく雰囲気が怪しいが、それには気づかない光君。

トイレに行くと言って席を立った土屋先生が向かったのは、列車内に設置されている地図のところだ。

地図を確認し、少し青い顔をして軽く息をつく。

実は土屋先生はミラノについての情報をまったく調べていなかったのだ。

地図を見ながら、ミラノで足止めを食ってしまった際に、巻き返しが聞いたかどうかを考えていたのだ。

数分間地図を凝視した後、ほっと表情を緩めてその場を去る。

そして再び口元をゆがめて不気味に笑った。

光君、一難さってまた一難である。

光君:遅かったね、でっかいの?

土屋先生:ああ、とびきりのでかいのだ。


にやりと笑っていう土屋先生。

トイレではなく地図の前ですが、なにやらでっかいアイデアを出した模様。

ぐきるるるるうぅ~

と、突然腹が鳴る土屋先生。

今日は何も買ってないので食料が足りない土屋先生。

実は光君が予算が足りなくなるタイミングの調整をかけているのだ。

今回二人の予算はひとつの財布から出ている。

よって片一方がたくさん使っても、もう一方があまり使わなければ最後の時が来るまでの時間を調整できるのだ。