SYU's TraveLog.


登録09.03.28
4日目・土屋先生の昼食、愉快な車内販売


丁度二人のところに車内販売のワゴンが現れた。

今度の販売員は赤鼻の気のいいおっちゃんだった。

フランスの車内販売の販売員と違い、陽気な雰囲気が特徴的だ。

赤鼻のおっちゃんは、それぞれの客室によっては商品の説明をしている。


土屋先生:光君、なんか安いものがあったら買うね。

光君:オッケー。





そんなとき土屋先生の目に留まったのがサーモンサンド

もうそれを見て食べたくて食べたくて仕方のない土屋先生。

値段を聞くと、3.5ユーロ。

彼の中ではぎりぎり許容範囲のようだ。

だが、実際にお金を払おうとしたところ、おつりがないと言うことだった。

土屋先生の手元にあるのが細かいのが2ユーロで、後は5ユーロ紙幣だった。

赤鼻の販売員は、『他の客が何か買ったら、そのおつりでおつりを払うから』と言うことで、5ユーロ紙幣を渡す。

このとき、光君のポケットに小銭があったのだが、土屋先生は もう少しコインがほしいからという理由でその申し出を断ったのだ。

そしてこれがトラブルの元となった。




いくつかの駅を越えて、ワゴンのおっちゃんを待つこと

10分・・・20分・・・30分・・・

40分を過ぎると、さすがにおかしいと思ったのか、土屋先生がワゴンのおっちゃんを探しに行く。

このとき、『おつりがない』ということを言わせないために、光君から1.5ユーロを持っていく土屋先生。

すでに相手のことを悪人扱いである。


結局、ワゴンのおっちゃんは車両の最前列のところでタバコをふかしていた。

以下、土屋先生とおっちゃんの会話である(英語)。

『ヘイ・ガイ。おつりは?』

『あー、そーだったそーだった。わりぃな。まだ小銭がなくてよ』

『何だそれは?ずっと車内販売してただろうが。小銭がないとは言わさんぞ。いやわかった。今サンドイッチ代持ってきたからそれで清算な。』

そういって3.5ユーロを手渡す土屋先生。

すると何を思ったか、その男はその中から土屋先生に1.5ユーロを渡す。

『なんだ?これは?』

『いやだからおつりだよ。』

彼の中では、

(5ユーロ)-(3.5ユーロ)=1.5ユーロ

という計算らしい。

『ちょっと待て、俺が今渡した3.5ユーロはどこに行った?』

土屋先生は合計で彼に8.5ユーロ渡してるのだ。

『だからおつりは1.5ユーロだったじゃないか?』

しかし彼の中の計算は最初の通りおつりは1.5ユーロだということだ。

10分以上もめた挙句、近くを通りかかったイタリア人の乗客が内容を事細かに土屋先生から英語で聞き取り、ワゴンのおっちゃんとしばらく会話する(イタリア語)。

すると、おっちゃんはポンと手を打ち、笑いながら5ユーロを土屋先生に返した。

つまるところ、このおっちゃんは 悪人ではなくただの間抜けであったようだ。




なんとか取り戻した5ユーロを光君に見せる土屋先生。


光君:そんなに目くじら立てなくてもいいじゃん


お気楽なことをいう光君と、それを横目に不吉な笑みを浮かべる土屋先生。

この時点ですでに予算がかなりやばいことになっているのだ。


ふたりあわせて300ユーロ未満である。

まだまだ旅程は半分程度しかこなしていないのに、である。

いかに鉄道パスがあろうとも、これは相当に厳しいはずだ。

ちょっとしたホテルに2泊したら、飯も食えずにゲームオーバーだ。

光君にはそのことがちゃんとわかっているのだろうか?



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